富裕層は英語の大切さを肌で感じている
日本人は英語の学習意欲は高いが、習得意欲は低いと言えるでしょう。なぜなら生活に必須ではないからです。なぜフィリピン人は英語を話せるのかというと、生きていくため、つまり働き口を見つけるためには英語が必須なのです。
世界的にみて、フィリピンは人件費が安いです。私がフィリピン講師から聞いた知識だけでも、欧米企業がコールセンターの要員としてフィリピン人を多く雇用してたり、ドバイやマカオなどの海外へ出稼ぎに行くことも普通にあるそうです。そして最近ではオンライン英会話スクールがニーズが高まるにつれどんどん増えてきて、ますます英語を話せる人材の確保が必要となってきています。
このようにフィリピンでは、英語を話せることが仕事をする、つまり生きていく上で必要不可欠なのです。
しかし状況は日本も変化しつつあると私は思っています。以下の記事を読んで、ますますその思いは強くなりました。
人も物も世界を自由に動き回るグローバル化の時代、子ども世代は世界のライバル達との競争がますます激しくなるはずなのに、日本の英語教育を心もとなく感じる親は多い。さらに、世界的にみると日本の大学の評価は意外に低い。「グローバルエリート」に育てるために教育移住に踏み切る日本人は、今後も増え続けるのかもしれない。
出典:日本のセレブは、なぜ海外で子育てするのか | 最新の週刊東洋経済 | 東洋経済オンライン
これを読んでわかるのは、富裕層ほど英語の大事さを身に染みてわかっているということです。だからこそわざわざ海外にまで行って英語を習得し、エリート教育が施される環境を求めています。もちろん英語が全てではありませんが、英語ができなければエリート教育を受けることもできないという意識がセレブにはあるのでしょう。
逆にその感覚をあまり実感していないのが一般の人たちです。英語は大切だけど、生きていく上でそこまで重要ではないという意識の方がほとんどなのではないでしょうか。
ベネッセ教育総合研究所の調査によると、約5割の中高生は「将来、自分が英語を使うことはない」と考えているようです。政府の、「世界トップクラスの英語力」という期待とは裏腹に、子供たちは「将来、自分が英語を使うことはないだろう」と、やけに冷静なのです。
約9割の中高生は、「英語を話せたらかっこいい」「将来、社会では英語が必要」とも考えているのです。その一方、将来「自分が英語を使うイメージ」については、半数近い中高生が「英語を使うことはほとんどない」(中学生 44.2%、高校生 46.4%)と回答しています。
出典:中高生の約5割「将来、自分が英語を使うことはない」は本当か | みんなの英語ひろば
この記事によると、中高生は英語が単に受験のための科目ではあるが、英語を話すことまでは生活には必要がないと考えているということです。同時に親や教師が英語の必要性を子どもに伝えていないということを意味しているようにも見えます。つまり、一般的に、大人は英語の必要性を肌感覚ではわかっていないと言えるのではないでしょうか。
英語学習に真剣に取り組む必要性と英語学習環境の変化
正直に言いますと、私自身も英語の重要性は外資系企業に勤めるまで肌で感じることはありませんでした。逆に言えば、そういう英語の必要性、重要性を実感する場を経験していない人には、いくら頭で英語は大事だとわかっていても、なかなか実行に移すまでは難しいということだと思います。
本気で英語を勉強する習慣を身に付けるためには、そこまでのモチベーションがないと本当に難しいのです。
英語学習の重要性は今に始まったことではありませんが、日本では本当に英語が必要だと思える状況にはまだ直面してはいません。もしかしたら今後も必要はないかもしれません。そして技術の進歩で、話した言葉がそのまま英語になるツールが開発されるかもしれません。
ただ、一般の人たちはそのまま英語を真剣に学ばずにいてもよいものなのでしょうか。
状況は大きく変わりつつあります。その理由は格安なオンライン英会話スクールの広まりです。今まで英会話は経済的に長期間、しかも毎日習うことはできませんでした。
しかし1回25分で100円台、毎日やっても月に6,000円程度しかかからないのがオンライン英会話スクールの大きな強みです。語学留学しても話せるようにならなかった私でも、オンライン英会話を利用して毎日長く続けることによって英語を話せるようになることを自ら証明しました。
私のようにオンライン英会話を利用する人は確実に増えています。それはオンライン英会話スクールの増加はもちろん、その講師数の多さからも生徒数の多さを想像することができます。
オンライン英会話スクールの最大手の一つ、RareJob(レアジョブ)は会員数は25万人を超えているそうです。最近ではDMMも英会話に参入し、TVCMを打つなど本気でビジネスを広げようとしています。
参考
– DMM英会話
– RareJob(レアジョブ)
加えて、スマートフォンの普及により誰もがネットを利用する時代となって、ますますオンライン英会話は身近になってきています。
オンライン英会話の普及で経済的、物理的な障壁がなくなり、英語学習の環境はほぼ理想に近い状況になっています。あとはいかに日本人が英語学習のマインドを高め、維持できるかどうかにかかっています。つまり、もはや「やるか、やらないか」だけの話になりつつあります。
英語学習に大切なのはモチベーションを維持することですが、そのためにはフィリピン人講師たちのような英語を必要としている人たちとの関わりを持つことも重要なファクターです。
フィリピン人講師と話していると、彼 / 彼女たちから「生きるために必要な英語」について肌で感じることができます。富裕層のような英語の大切さを肌で感じることができる人は少数ですが、一般人でも生の英語と触れることにより、徐々にその重要性を認識することができるのです。
オンライン英会話で英語力の格差がどんどん拡大する
英語をマスターして高給の外資系企業へ勤め、グローバルに活躍するのは、もはや富裕層だけのキャリアパスではなくなります。今の英語を話せない日本の状況は、まさに英語を武器にスキルを差別化する大きなチャンスだと私は強く思うのです。
仕事のスキルが同じレベルなら、英語を使える人を採用する。そういう時代が来ることは、人材のコモディティ化が進んでる現状を見るとあながち言いすぎではないと感じます。
そんな時代の流れに気が付いた人は、自分に合った英語学習環境を構築し、どんどんやっているはずです。スマホやオンライン英会話スクールのおかげで、もはや、いつでも英語を学習できる環境は誰でも作れるのです。
私はオンライン英会話を4年半前に始めて、密かに英語を話せるようになっています。このようにして、実は気が付かないうちに、英語力の格差がどんどん拡大しているのです。そしてそれが経済格差、所得格差に繋がってくる日も遠くない気がします。
単一民族でカルチャーショックの少ない日本では、外国人と英語で話す機会を多くもつことで様々な価値観も学習でき、人間的な成長にも大きな影響を及ぼします。いろいろな価値観を受け入れられる「多様性」は、これからのビジネスに欠かせない大きなポイントにもなっていくことでしょう。
日本はそろそろ受験を目的とした英語学習でなく、仕事の幅を広げたり、生活の質を上げるための英語学習をすべき時に来ているのではないでしょうか。
The die is cast. 賽は投げられた!