役に立つことがない「気の利いたフレーズ」
英語の参考書やブログの中には、「よく使う英語フレーズ集」のような気の利いたフレーズとして英語表現を紹介しているものがあります。確かに知っていると役立ちそうなもんがたくさん掲載されているのですが、実際に利用することはどれほどあるのでしょうか。
実は、そういったフレーズは現実の英会話の中で活用されることはほとんどありません。私自身の経験では、英会話に登場するフレーズのほとんどは、自分の頭の中で作られた瞬間英作文であることが多いです。
実際に自分の言いたいことと、気の利いたフレーズがドンピシャになることは確率的になかなかないのです。
会話は自分の気持ちや考えを表現したり、また逆に相手の気持ちや考えを聞くためにあります。それはほとんどがオリジナルであり、自分の頭の中で組み立てられた文章をアウトプットしているものになります。そのやりとりの中では、覚えたフレーズを頭の引き出しから探して出してくる余裕もなかなかありません。
逆に言えば、覚えたフレーズなどは自分の気持ちや考えを表現するのにどう使えるかを前もって意識的に考えておかなければなかなか自分のモノにならないのです。「よく使う英語フレーズ」を覚えることは決して無駄ではないと思います。ただ一方で、どのように自分の表現として使えるのか、自分の中でシミュレートしておかないとあまり有効ではありません。
たとえばスマホで人気の英会話学習アプリ「Real英会話」というのがあります。
このアプリは、日常のシーン別によく使われるフレーズがまとめてあり、多くの人が使ってるアプリの一つだと思います。
私も買って最初のうちは楽しんで使って覚えていたものの、そのうちに使うのを止めてしまいました。理由は、ここで覚えたフレーズをオンライン英会話の中ではほとんど思い出せず、結局はアドリブ的に自分の言いたいことを瞬間英作文をすることになっていたからです。
机上での英語学習に慣れている人が多い日本人にとっては、こういったアプリはとても役に立つと感じるでしょう。実際いいアプリですし、確かに使えそうなフレーズ、実際に使われているフレーズで溢れています。
しかしフレーズを覚えれば英会話ができるかと言えば、そうではないのです。フレーズの中身があなたの気持ちや考えとリンクして初めて、あなた自身の言葉となります。ただ覚えただけのフレーズというのは、それは単なる辞書に載っている言葉と同じで、会話の中での出番を待っているうちに忘れて去られてしまいます。
結局のところ、英語はインプットだけではダメで、使って覚える「アウトプット」が不可欠なのです。
アウトプットを習慣化しよう
英語教材を活かすためには、とにかくアウトプットをしていきましょう。やり方は自分の好きな方法でいいと思います。基本的なやり方としては、英語教材に出てきたフレーズを自分の言葉としてアウトプットする癖を付けることです。ソーシャルメディアでも、ブログでも、オンライン英会話でも。
実際の英会話に取り入れるのが最も効果的ですが、全てのフレーズでやることはなかなか難しいですよね。ですので、ネット利用を中心とした様々なコミュニケーションツールをうまく活用しましょう。
すべては学習→実践を習慣化しておけば良いのです。つまりやるべきことは、
1)まずアウトプット環境をまず作る
2)日々続けて行く
という2点をひたすら進めて行くだけなのです。
さいごに
英語はとにかくコミュニケーションを前提として「使う」「アウトプットする」ことを意識しなければなりません。正しく覚えたかどうかより、実際に使ったか使っていないかが重要です。間違った数だけ覚えられる機会ができたと思い、コミュニケーションを充実させるためにどんどん新しい英語を試してみましょう!