言語と脳の活動の関係とは?
私がニューヨークの語学学校に通っていた頃、最初の講義で「言語と脳の活動」に関する話を聞いたことがあります。
10年も前のことなので詳しくは覚えていないのですが、母国語を話しているときの脳の活動と、外国語を話しているときの脳の活動の様子をサーモグラフィーか何かで比較していました。つまり、母国語と外国語とで脳の活動はどう異なるかということです。
結果として母国語のときは、あまり脳は活発に活動しておらず、外国語のときはかなり活発に活動していることを表していました。
ここに、なぜ私たちが英語を勉強すると疲れるのかの理由があります。日本語に比べると英語を使ってるときは脳が何倍も活発に動いており、それで疲労してしまうのです。英語のニュースを読んだり、聞いたり、英語を話したりするときは日本語で同じことをするのに比べ、脳がものすごくパワーを使います。
これは逆に言えば、母国語である日本語はほとんど労力なく使えるように、脳が省力化の機能を持っているということです。そして外国語も、学習をうまくやっていくことによって、脳が省力化できるよう変化していくことが期待できます。
一方で日本人は基本的に中学校から大学卒業まで10年ほどさんざん英語をやっていますよね。もう少し英語に馴染んでもいいはずなのに、その気配があまり見えません。それはなぜなのでしょうか。
どうしたら脳は省力化できるのか?
私の経験からの仮説ですが、英語に対する脳の省力化は日々の英語との関わり方が大きく関係していそうです。
例えば私が4年半前にオンライン英会話を始めた頃と今の状況を比較して見ると、明らかにレッスンを終えた後の疲労度が違っています。当時25分は相当に長く、そして終わった後はあしたのジョーのような燃え尽き方。こんなんで続くのかなぁと毎日思いながらも粘ってやっていました。
ところが今は25分が長く感じない上に、終わった後でもほとんど疲れていません。レッスンの始まりも、4年半前は日本語から英語に頭が切り替わるまでに時間がかかりましたが、今はほぼ瞬時に切り替えることができます。突然外国人に話しかけられても、うろたえたりしません。
それくらいオンライン英会話を始めた頃と今とでは脳の状態が変わってる自覚があります。
そういえば学生の頃、英語が得意な友人ほど、英語の本(ペーパバック)を読んでいた記憶もあります。一人の友人はずっとギターを弾きながら洋楽を口ずさんでいました(笑)
結果として、英語に慣れ親しんでる度合いが高いほど、脳が英語の処理を省力化できているのかもしれません。そして脳が省力化してる人ほど英語を楽しむ余裕が生まれるのではないでしょうか。
脳は少しずつ変化を受け入れる
脳の疲労は、言語学習者がどうしても避けては通れない道です。そしてその習得の早さも個人差があり、学生のうちに英語が身についてしまう人もいれば、キライになったり挫折したりする方もいます。
そうは言っても、好きか嫌いかに関わらず、日本人にとって英語習得はいろいろなメリットをもたらします。苦手な人が多い分野というのは、それを身に付けることで大きな差別化にも繋がるのです。そして2020年東京オリンピックやますますのグローバル化により、英語の必要度もおそらく上がっていくことでしょう。
少しずつ訓練すれば、脳は省力化を身に付けていき、英語による疲労度はやればやるほど下がっていくのは間違いありません。そしてこういった研究結果もあります。
「意識することなく自然に英語を読んで話せる省エネ脳に切り替わるまでに、およそ6年かかるということがわかってきました。一方、母語から遠い外国語を仕事で使えるくらいにまで読めて話せるようになるには、2200時間の学習が必要だというデータがあります」
出典:そこがいけない! 英語が全然上達しない学習パターン:PRESIDENT Online – プレジデント
脳は安定化志向(急激な変化を嫌う傾向)がありますが、少しずつの変化には対応していけるというのは、私の経験からも明らかでした。
それを信じ、中長期的な目標をもって毎日英語に取り組んでいきましょう!継続は力なりですよ。