大人の英語学習には英文法が必要
文法は新しい言語を学ぶ際に、よりどころとなるルールです。この法則に従って単語を並べていけば、意味が通る文章が作れるようになります。
ただ実際の会話では、文章にする必要がないこともしばしばありますよね。必要な単語を並べれば、なんとか意味は通じます。
子どもであれば、そこから文法など知らなくても自分で文章が作れるよう段々となっていきますが、大人になるとそう簡単には行きません。まっさらな脳に言語が植え付けられていくのと違い、大人にとっては文法が第2外国語の言語習得に大きな助けとなります。
大人になると、間違ったことをすることにものすごく抵抗ができるものです。ルールがないと逆に不安で、全くのでたらめな言葉を発することなどは精神的にできなくなってしまうのです。
語学学校でも英文法は必須科目
私がニューヨークの語学学校に通ってた時も、どの国の人もみんな文法は必須でした。英語で書かれた文法の教科書を使っていたのですが、これまた日本の文法の教科書に比べると非常にわかりやすいんです。
個人的に日本語で書かれてる教科書より英語の方がよっぽどわかりやすくて、現在完了とか仮定法とか「なんだそうだったのか!」と目から鱗が落ちることもしばしば。日本語の教科書だとなんだか回りくどい説明が多く、結局つかみ所のない説明ばかりなんですよね。
日本でもアマゾンで買えるみたいなので、ちょっと高いですが文法をもっとよく理解したい方には本当にオススメです。Kindle版がないのが残念。Amazonなら「なか見検索」で内容を確認、試し読みができますよ。
驚いたことに、英語をかなり流暢に話している外国人でも意外と文法は苦手のようで、スピーキングの試験でボロボロな日本人は、文法のテストではむしろ一番優秀でした。日本人は世界の中でもペーパーテストが大得意な民族ですからね(笑)
その一方で文法に縛られていることは、英語を話せるようになるための障害にもなっています。
例えば私にはこんなエピソードがあります。
昔会社(日系企業)の同僚に英語がペラペラな人がいました。英語のスピードも速く、正直聞き取るのが大変だったのですが、よくよく聞いて見ると文法が結構間違ってるのです。冠詞がテキトー(あったりなかったり)、三単現のsがない、複数なのにsがない、副詞を使うべきところが形容詞になってる、動詞が過去形であるべきところを現在形を使ってる…などなど。
しかし文法を除けば本当に流暢な英語で、コミュニケーションには何の支障もない。むしろ文法の間違いなんて全く問題にならないんです。
留学してたときの体験と合わせて考えてみると、文法をある程度無視している人の方が、こと英会話に関してはスキルが断然高いのです。
これはまさに、間違いは正義!英語学習は積極的に失敗した者が制す。で書いたことで、英会話では文法はそれほど重要ではなく、むしろ文法を気にし過ぎないことがスピーキングの上達に有利であるということを裏付けています。
英語を話せる人にとって文法なんて二の次であり、とにかく伝えたいことが伝わればそれで十分なのです。
結局は「何が言いたいのか」に尽きる
文法は文章を正しく組み立てるために大切なルールですが、結局「相手に何を伝えたいのか」があってのこと。その内容を伝えるためにはまず単語が必要であり、その次に並び方や使い方(文法)が来る。
つまり、文法はある程度言いたいことが言えるようになってから身に付けても遅くはないのではないか、というのが私の結論です。
TOEICや受験英語では文法の重要性は非常に高くなります。長文を読んだり、英作文を正しく書くには、しっかりした英文法が土台となるからです。
しかし英会話では文法は単なる補助ツールです。文法を重視し過ぎると肝心の言いたい英語がスラスラと出てこなかったり、間違いを気にして言葉自体が出て来なくなってしまうこともあり得ます。
私自身もそれは実際に体験しましたが、文法はむしろ会話の足を引っ張ることも多かったです。
特に初心者は、文法とか細かいことは抜きにして、もっと会話を楽しむことに集中することがずっと重要です。
私がそうであるように、受験英語が染みついた体にはなかなか難しいかもしれません。しかし英語を話せるようになるための学習では、文法にこだわりすぎないよう自由になりましょう。そうすればもっと上手に&もっとハッピーに、英語を上達させることができるはずです。